みず

 一見、色は無いし味もないしシュワシュワするわけでもなければ酔うわけでもない。ましてや日本に住んでいれば蛇口をひねれば出てくるような本当にただの水。だけどそのただの水が最近、1番美味しいと思う時がある。暑い夏の仕事終わりだ。

 私の仕事の都合上ひどい時は2時間何も飲めない時もある。そんな仕事をなんとか終えて、喉カラカラで帰宅してから飲む水。本当に美味しい。生きてるー!っと感じる。桃のエキスが入っているわけでもなく、炭酸が入っているわけでもないただの天然水。とっっっても美味しい!!

 水に対してこんな感想を持つことは実は以前にもあった。それは部活の休憩時間に飲む水道水だ。炎天下の中を走り回って疲れた後の休憩。家から持ってきた2Lの水筒もすでに空になって飲む水道水。これもまた本当に美味しかった。冷えているのかと言われればそうとは言えない温度だけれど、炎天下のマジックなのか冷えているようにゴクゴクと飲める。

 私は基本的に夏は暑くて汗は無限に出てくるし虫はいるしで苦手だ。だけどこういう瞬間を感じることができる時は決まって夏だ。こういった「涼」や「生」の瞬間を感じることができるのならば夏も悪くはないのかなと思う。

 そんな夏がもうそこまで来ている。